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【spac演劇】おちょこの傘持つメリー・ポピンズ 宮城聰 演出

日本平の舞台芸術公園は、演劇の創作と上演のために作られた空間です。
その野外劇場「有度」で何度も素晴らしい演劇をみてきました。今回の「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」はこれまでにない天候、大雨の中での観劇となりました。
自然の雑木林に囲まれた「有度」はこの演劇祭の頃は、18:00からの演劇だとちょうど、日が暮れ始める時刻で、暗くなっていく中で、自然の光と照明とで幻想的な演出が何度もありました。今回はそれに加えて、大雨の中、演者も観客も大変な中での上演で、これはこれで、自然の計らいであり、忘れられない観劇になりました。

話は、唐十郎らしく、倒錯した主人公とそれを愛する二人の男の内輪話を主に、外野がやんややんやと関わって進みます。
昭和のギャグと風刺と風俗が目一杯盛り込まれて、それにプラス、コロナ禍の味付けです。演者は皆、正面を向き、離れ、マスクをし、飛沫感染を阻止、濃厚接触を避けてというやり方、これはこれで面白いです。

また、主人公は尋常ではないのですが、まともな恰好です。かかわる二人もです。
しかし、彼らを取り巻く外野の輩は、社会的にも精神も、いわゆる常識人なのですが、訝しいいでたちなのです。
どちらがまともなのと、問いかけてきます。
自分が持つ価値観とはなんと当てにならないかということでしょう。

それにしても、舞台の大道具や衣装や小道具が素晴らしかったです。観客が持つ昭和のイメージを擽ります。
そして大雨の中、肉声を張り上げて演じてくれた役者の皆様の熱意が同じく素晴らしい劇でした。

追伸
5/5は「立夏」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「立夏」の直接ページはこちら
立夏

【いもたつLife】

日時: 2021年05月05日 20:58