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【spac演劇】ハムレット 潤色・演出 上田久美子

演出の上田さんが演出ノートでもインタビューに答えた文章でも、知や科学を突き詰めることで発展したこの社会は行き詰っているいると記しています。また、シェークスピアは自然を含めたコスモスを描いているとも記しています。
そして主人公のハムレットは近代西洋主義の象徴で、オフィーリア(今回の主人公)は論理的ではない象徴であり、自然に抗う存在と、自然に還る存在の対比としている劇です。自然から観たハムレット(=現代社会)としてこの「ハムレット」を演出してということです。劇後のアフタートークでもそれを強調していましたし、その時のゲストの河合祥一郎さんもその視点の上田ハムレットを絶賛していました。

話は変わりますが、チンギス・ハーンは都市だけで生活しいることに遊牧民として警戒していました。都市を造って生活したフビライ・ハーンもその精神を持っていたと言われています。

このハムレットは、自然を征服したとしている現代を警戒しているのではなく、それが通じないと言っています。また、自然の畏敬を合わせています。
でも実際の劇はとても楽しいものでした。話はハムレットで、そのセリフもふんだんに入れ込まれていますが、笑いが溢れます。時折、辛辣に人は死ぬと屍になる実際を見せたり、魂とは、どこに行くのかも問いますが。

今回も自分は何で自分なんだろう、社会の恩恵を受けながら、それに従っているだけか、その恩恵とは何かをも考えていきたくもなりました。

【いもたつLife】

日時: 2025年11月20日 18:39