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ブログ 今日のいもたつ

露天の干し場

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雨よけになるビニールハウス下に
干し場を作るのが一般的なのですが、
昔ながらの露天干しの農家もいます。

朝並べて、夕方取り込んでの作業が大変で、
急に雨が降ればそれこそ往生しますが、
仕上がりがハウス下よりも綺麗な“飴色”になります。

【芋日記】

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我らの生活 2010伊 ダニエル・ルケッティ

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最愛の妻が三人目の子供を産み落とし亡くなります。
主人公は子供達と失った大きな空白を埋めることができるか。
という物語です。
同時にイタリア社会のひずみが盛り込まれています。

映画は出産前の家族のうらやましい程の蜜生活と、
イタリアではあたりまえでしょうか、日曜日に親戚で楽しく過ごすシーンが描かれます。
その後、妻の死、
その前には、物語のキーになる、主人公の不法移民の事故死の目撃があります。

主人公は、妻の死を乗り越えるための目標を金儲けに定めます。
このあたりの価値観が中々しっくりときませんが、物語の核心にリンクしています。

主人公は下請け建設業で、不法移民を不法雇用しています。
もちろん、不法移民は報酬を低く抑えることができますし、そもそもそれをしなければ、ペイできない金額での落札のようで、親会社の思惑がチラチラみえます。
しかし不法移民との仕事は上手く行かず、主人公も追い込まれれば(仕事の遅れと欠陥建設になる)、それにより報酬を受け取れない不法移民も追い込まれます。

主人公の事故の隠蔽も、自分の保身と不法移民の雇用、仕事の継続のための無言の社会同意の結果です。

追い込まれた主人公を救うのが家族です。
また、主人公が家族の応援で挽回した具体的な方法は、
不法移民ではなく、イタリア人を雇用することです。
イタリア人の雇用により、(正確にはこれも不法契約です)
窮地を脱します。金はなくなりましたが。

そこで、金儲けに走る目標が妻を失った喪失を埋める物ではないと気が付き、
子供達と本当の再生に向かう。というところでラストです。

イタリアの家族像とイタリア社会の矛盾を描いた映画で、
なにも起こっていない表面の下には、
人が故意に生んでいる格差の実態があることを示します。
前半の家族愛、一族愛との落差の大きさにそこを受け止めずにはいられません。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

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気狂いピエロの決闘 2010西 アレックス・デ・ラ・イグレシア

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ピエロを演じることで、狂気な自己を抑えて生きている二人のピエロが、
本物の狂気のピエロになってしまう物語です。
二人はスペイン内戦とその後の独裁政権下のスペインのメタファーで、
彼らの狂気をスペインの近い過去の出来事と重ねます。
二人に翻弄されるヒロインは、スペインの人々として映ります。

全編、裏側に歴史を匂わせます。
それを前提として、目を覆うほどのシーンを繰り返し繰り返します。
だから破綻しているシナリオなのですが、それが狙いです。

狂気のピエロの一人は、笑わせることが出来ないほどの悲しみを背負い、
心優しい男ですが、悲しみと怒りがはちきれないばかりを心に秘めた、
いつか復讐を成すことを刷り込まれています。

もう一人の狂気のピエロは、子供の支持を受けるエリートピエロです。
笑われることで存在を確認しています。その反動は権力と暴力を振りかざすことで、
その二つでバランスを保ちます。

キーを握るのはヒロインです。
暴力のピエロの下にいます。仕方なく。
離れることができえない女です。
もう一人のピエロの登場は、離れる機会となりました。

彼らの態度、行動、考え、衝動的な生き方を、
彼女のいつまでも、悲劇から抜け出せない姿を、
監督は嫌ってほどみせます。
象徴とわかっていても、目を覆いたくなります。

それほどのことが起きていたことは、
直接に非情なものを伝えるよりも、より深く非情を考えます。
とても悲しいけれど、これほどのことが、
近い過去にあったということです。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

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ミヒャエル 2011墺 マルクス・シュラインツァー

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冷静で残酷な性犯罪者の日常を淡々と映します。
主人公ミヒャエルは、仕事も私生活も几帳面にこなす、優良サラリーマンです。
少年を軟禁して、性的虐待を加えているとは、誰も到底想像すらできない、
普通よりも有能な男です。

映画は現実にいる男と少年を映しているようです。
男が仕事をしているところから、家族や同僚とのやりとり、
少年との食事の準備、夕食風景、一緒に家事をするところ、
遊ぶところ(屋内と屋外)、性的処理を匂わせるところ等々。

男と少年は傍から見ると円満な親子のようです。
ただ、少し違うのです。
それは軟禁するドアに施錠が付いていたり、
部屋が異常に静かで無機質だったり、
表からは全く窺うことができない(光も漏れない)家だったり、
映画の雰囲気もそんな無機質感でいっぱいです。
けれど、男はフレンドリーに振舞うこともします。
その時の映画はそれなりの雰囲気で、
いっそう不気味な感じになります。

そして、一見普通で少年に情けがある男ですが、
それが全て、己を守ることと、欲望につながっています。
だから男は狡猾かつ冷静で残酷です。

世間体で愛想が良い顔がありながら、いつでも次の準備を進めます。
少年が重い病に倒れると、埋める準備を始めます。
アメとムチを使い分けますし、次の誘拐も試みます。
(代替とアメの保険です)
どこまでも冷静で残酷を淡々と映します。

この映画は、少年の思いがけない抵抗で男が亡くなり、
遺品整理のために家族が家を訪れて、
少年を“みつけるだろう”というシーン直前で終了します。

少年が助かったかはわかりませんが、
解放されたことは間違いありません。
では主人公が健在のままだったら?
少年はどこかで男が掌握できない時点でお払い箱でしょう。
それも用意周到に。

こんな物語は身近にはないと思いたい話です。
でも、この映画は隣で起きていることを想起させます。
現代社会のある一面の精神を浮かび上がらせたと感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

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しずてつストア セノバ店 試食販売

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セノバ店には、春にも干し芋の試食販売に来ています。
その時よりも好評でした。
やっぱり季節は大事で、干し芋といえば、秋冬です。

「あいにくの雨で、客足は今ひとつでしたね」
という青果担当者の言葉でしたが、
たくさんの方に試食してもらえましたし、
予想以上のご購入があり、とても良い一日でした。

【いもたつLife】

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ムースの隠遁 2009仏 フランソワ・オゾン

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とても複雑な恋愛感情を目の当たりにする映画です。

主人公ムースは、愛する男を失います。
忘れ形見を宿していました。

男の弟がもう一人の主人公です。
彼は異母兄弟の兄を愛していました。
そして、ムースも愛しました。

ムースは生まれた娘を彼(弟)に預けます。

とっても簡単に書きました。
ムースの気持ちをほとんど解釈できなく表面をなぞっています。

ムースは娘の幸せのために弟を選んだこと、
亡くした愛する男との決着であったこと、
彼女の生き方そのものが娘を育てない決断であったこと、
(劇中の彼女を観て)
それら複合の理由をつなげると、
彼女が娘を弟に委ねる結論がなんとなく理解できてきます。

世の中に起こる様々なことに共感する必要はありません。
事実は、今目の前の出来事は、
それを行動しているそれぞれの人の今までの生きてきた結果です。

それを批判すること自体も一歩止まって、根源は何かを考えたいと思っています。

この映画はそれを私に投げかけてくれます。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

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フィッシュ・タンク 2009英/蘭 アンドレア・アーノルド

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世の中に精一杯自分の力だけで抵抗している15歳の少女主人公ミア。
彼女が一回り大きくなって、もう一度突っ張る事を決める物語です。

研ぎ澄まされていないナイフを、研ぎ澄ましながら、
世の中すべてに立ち向かう少女、そんな生き方をしています。

崩壊しているような家庭、母親からは“生まれていないはず”とまで言われる家庭、
そして、誰一人彼女に寄り添うことなく、
互いに、生きていることを突っ張ることで明かす、そんな生活環境下にいます。

でも彼女も15歳の少女の心があります。
ある日現れた男、母親の愛人は、彼女にとって、
もしかしたら、精一杯生きなくても彼女を守ってくれる男として写ります。

それが幻想だと体験するのはすぐでした。
もしかしたら、すぐだから良かったといえるかもしれません。

彼女は決します。
やはり自分の生き方を貫くことを。
清々しいほどの姿です。
この後、何度も同じような挫折を経験することは明らかです。
でも、それを受けても受けて超えることができることを得ることを、
観客はこの映画で観ました。

監督は、ダンスにかける姿の主人公を通して、
音楽で彼女の心境を表現します。
同じく、鎖につながれた馬や、釣った魚でも、主人公の髪型でも。
そこにどんな真意を見つけるか、
そういう部分に表現の巧みさを強く感じる映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

俺の笛を聞け 2010ルーマニア/瑞/独 フロリン・セルバン

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譲れないことは絶対に譲らない。
その叫びが聞こえてくる映画です。

主人公は、18歳の少年院で更生しています。
模範生で、出所まで二週間です。
彼は10歳の時から(多分)当時2歳位の弟を育ててきました。
何故なら(父親は入院・健康ではないのでしょう)母親がいなかったからです。

ここはルーマニア、母親はイタリアに出稼ぎに行ったきりでした。
主人公に言わせれば、(多分)生活苦で男の元にいた。
そのために子供二人を捨てた。そんな母親です。

その母が、突然現れます。出所二週間前に、
そして、一週間後には弟をイタリアに連れていくことを決めます。
彼に譲れないないものが出来た瞬間でした。

模範生を守りながらそれを阻止しはじめます。
しかし塀の中では打つ手が限られます。
というよりもほとんど叶うことをすることが出来ません。
あせります。

時を同じくして、出所準備のためのカウンセリングが始まります。
そこで出会ったカウンセラーの女に恋をします。

時は無常に流れます。
打つ手なしに弟が連れ去られる日になります。
主人公は、本人も予期しないきっかけで、堰を切る行動を起こします。

恋する女を人質にして、少年院内で譲れないことを現実にする行動を起こします。

出所までどんなことがあっても、院内のイケスカナイ奴らから罵倒されても、
出所を成し遂げようとしていました。
でもどうしようもなく主人公を、
母が、仲間が、環境が追い詰めていき、暴発に至ります。

動機・原因は主人公が弟を失うことです。
でも暴発はそれでは起こりません。
引き金を引くきっかけが次々に起こったからです。
取り巻く環境が暴発を誘いました。

怖いことです。暴発したい気持ちが必要条件で、
環境が十分条件です。
人が暴発するこの構図で戦争も起こります。

主人公は滅茶苦茶苦悩します。『出所を目指す』のかを。
でもそれと、弟が連れ去られることの天秤にはかけられません。
弟を失うことは、出所できないことどころの騒ぎではないからです。
18年の人生の否定です。

だから、勝負に出ました。
結論を覚悟しての行動でした。
母と弟を引き離すことは、純粋に弟のためではありません。
これからも生きる自分のためです。

愛する女を人質にしたのは、
暴発の結果の代償を自らの望みにすり寄せるためです。

主人公のこの行為はとても切ないものです。

彼の地ルーマニアは遠くどんな国か、どんな歴史か、
体感できていません。けれどこの映画でわかることがあります。

幼い兄弟が自分達だけで食べていかなければならない世界、
母が息子達を捨てるを選ぶ世界、
まだ18歳なのに叶わぬ恋に遭遇すること、
出所しても希望を見出せないような雰囲気の世界、
それらを積み上げた物語でした。

これらのどれにも触れない、私が生きてきた環境が、
奇跡なのかもしれません。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

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ほしいも試食販売 しずてつストア 安東店

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恒例になっている『試食販売』です。

開店からドッとお客様が来店という感じもなく、
シャイなお客様が多い土地柄か、
意外に試食する方も少ない中、
予想以上にお買い上げいただきました。

タツマ干し芋の味を知ってもらえればと、
試食販売をやっていますが、たくさんご購入もしてくださりありがたいばかりです。

【いもたつLife】

日時: |

今シーズンの原料芋の品質

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最終的には蒸かしてみるまでわからない。
のが干し芋の品質ですが、
収穫した全般的な原料芋の形や大きさである程度は推測できます。
また、つると実のくっつき具合も品質を推測する大きな要素です。

つると実が離れやすいかどうかがポイントで、
離れやすい方が高品質の傾向があります。
幸い今シーズンは、離れやすい傾向があります。

ですから、形・大きさが適度な原料芋は、
美味しい干し芋に仕上がることが期待できます。

【芋日記】

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