月別記事

ブログ 今日のいもたつ

忍びの者 1962日 山本薩夫

100406blog.jpg

忍者を格好良い演出ではなく、泥臭い、けれど
これが日常である。という視点でとらえられています。
だから、ひとりひとりが地味です。
でもその方が現実だっただろうし、そう感じます。

人は環境と教育で、人格が形成されます。
忍者として生まれると、日陰に生きるもの、表には決してでない、
普通の幸せとは隔世になります。それが疑問にも思わない。
そんな主人公(市川雷蔵)が人並みに気づく話でもあります。

市川雷蔵は好きな役者ですが、こういう影がある役はぴったりです。

石川五右衛門を忍者として設定したことも面白いですし、
信長支配の戦国を、忍者を含めて敵対する底辺の者たちから描いた
という点でも面白い映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

ザッツ・エンタテインメント 1974米 ジャック・ヘイリー・ジュニア

100405blog.jpg

たかだか100年余りが映画の歴史ですが、
無数の作品がつくられました。
言うまでもないことですが。
多種多様で、
国が違えば違う感覚、同じ国でも全く作風が違うのも当たり前、
でも映画会社のテイストもあったりもします。
また、多くのジャンルも出来上がりました。
時代とともに変遷してきました。

映画を縦横無尽に鑑賞していると、
こういう映画にある時出会うと楽しくなります。

ミュージカルという映画史を語る上でなくてはならないジャンル
それもMGM社にしぼり、その醍醐味を往年のスターが紹介してくれます。

ミュージカルに巨大な力が乗り移っていった時、
その時にしかできない作品ができていったことがわかります。

何故この頃のミュージカルを現代によみがえらせないのか?
そんな疑問を何回か持ったことがあります。
あたりまえに、フレッド・アステアのような役者が現れないことも
一因だと思っていましたが、それだけでは腑に落ちませんでした。

その謎のひとつは、ミュージカルが一時代になってしまったこと。
にあることを実感しました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

しとやかな獣 1962日 川島雄三

100404blog.jpg

コメディですが、コメディとは思えない、人間の悪と
生きるためのしたたかさを描いた映画です。
たしかに面白い映画なのですが。考えてしまいます。
脚本も良いですし、人物描写や、カメラワークなど、
好みの映画で今年のマイベスト10に入るでしょう。

団地一軒の中だけで映画は作られています。
多種類のアングルと、時折外からのカメラや、外へのカメラを使い、
台詞以外でも人物を語ります。

内容は、あばしり一家のような家族と、
ひとくせあるその被害者たち、
そして、あばしり一家も舌を巻くほどの女の軋轢です。

言葉遣いが、まったく本音でない、から、オブラートに包んだ本音、
半分本音、かなり本音などその使い分けが妙です。
これらは、普段誰でも使い分けているのですが、
えげつなく描かれています。
でも100%本音はでないんですよね。この映画でも。
でもそれをお互いが理解しています。

笑うに笑えない映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

眼の壁 1958平 大庭秀雄

100403blog.jpg

東京から田舎へと展開してゆくところ、
登場人物の素性があきらかになってゆくところ、
松本清張らしく面白かったです。

佐田啓二の落ちついた二枚目ぶりは、
当時かなり人気があったことを容易に想像させてくれます。

新幹線がない時代の旅、出張がどういうものなのか、
松本清張とふれると、そこにも思いが馳せます。
同じく通信手段も。

日本はがむしゃらに走ってきて、
今は大不況と言われますが、それでもまだ、
走り続けているような気がします。
直近30年くらいの自分の人生を思い返すと、
その流れに自分の生きてきた時間が重なります。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

からっ風野郎 1960日 増村保造

100402blog.jpg
弱いくせに粋がって、社会を斜に見て、
負けるのがわかってリングに上がっているボクサーのように、
生きている主人公=三島由紀夫、
なにか自分と重なります。

サルのおもちゃを主人公に見立てますが、
それも自分と重なります。

弱いけど懸命に生きて、悪だけど根っからではないから、
分不相応な妻に見初められるのも、
自分と重なります。

素直になった直後に死が訪れました。
死に際のことを考えさせられました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

或る殺人 1959米 オットー・プレミンジャー

100401blog.jpg

人が人を裁くことには、矛盾があるのですから、
立場によりその結果は変わります。
今までもこれからも、裁判は人が裁くのですから変わりません。

この映画も、裁くことについて描かれていますが、
ただあまりにも不可解なことが多いストーリー進行でした。

その代わりと言ってはですが、
法廷闘争=検事と弁護人の二人の力が入ったシーンは、
とても良く、これ自体が後半のほとんどですから、
ストーリーは別にしても、引き込まれます。

疑惑を両者の言い分で推測し、有罪か無罪を決めるわけですから、
当事者以外は、(当事者を含む時もある)ことの真意はわからずに、
決めなければなりません。
その点では、不可解なまま裁判が進むのは、
映画的ではなく現実的だったとも言えます。
ただ、そこを狙ったようには思えませんでしたが。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

一番美しく 1944日 黒澤明

100331blog.jpg

戦時中の国策映画です。
「女子挺身隊」の工場の様を描いています。
どうしても美化されていると感じますし、
それが故の国策映画でしょう。

今この映画を観て、太平洋戦争のことを、
ああだ、こうだ。言うのは傍観者で、
戦時中のリアルタイムでこの映画がどうとらえられたのか。
きっと人それぞれでしょう。

登場する人たちと同じ気持ちの方も、また、
醒めてみた方もいることでしょう。

当時、映画の与える力は今とは比べ物にはならいことも
わかります。

今は映画ではなく、何で、同じことを、同じ影響を受けているのか?
ちょっと不謹慎にもそんなことも考えながらの鑑賞でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

ずっとあなたを愛してる 2008仏 フィリップ・クローデル

100330blog.jpg

「最善」という言葉の意味を深く考えてしまいます。

息子の殺害の代償として、
主人公は己の一生に十字架を架しました。
主人公は最善の選択をしたのは間違いがないではないか、
でも何かが違います。

この映画はそれを語ります。

それは人が本能だけで生きていないから、
そして本能も働いているから、
ではないでしょうか。

許されることではないことをしてしまった主人公ですが、
高貴な生き方をしています。

その主人公が服役してもう一度人として生き直す、
それを肉親、新しい家族や新たな友とともに
丁寧に描かれているとても良い作品でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

信心はないけれど

100329blog.JPG

ここが、どれだけ由緒正しいかを今回知りました。

長野市の善光寺に観光で行ってきました。
欧米の映画を見ると、キリスト教とは切り離せられない、
ストーリーやシーンはよくあります。
日本の信仰心との違いを感じます。

何かに手を合わせるという行為は、尊いこと。
ということをあまりにも考えないで長く生きすぎたかな。
と反省します。

こういう場所に多くの人たちが集うから、
実際に自分も来たからまだ良いのでしょうけれど、
もう一歩踏み込んで、なぜ善光寺に来ているのかを、
もう少し重く感じたいとも思いました。

【いもたつLife】

日時: |

祇園囃子 1953日 溝口健二

100328blog.jpg

溝口監督の映画には魔力があるかのように、
画面に釘付けになってしまいます。
本作も例外なく。

安定した絵の中に、
演者がまさに役そのものに生きていて、
カメラに余韻が残り、次の展開まで、心が探ります。
その繰り返しです。

この物語では、祇園を舞台に芸者を通して、
人の世の慣わしと、人の本分、
肉親との関係(ここでは一番近い父親との理不尽な関係)
より以上になる他人との関係などが描かれています。

それらのテーマにも引き込まれますが、
テーマが何であれ、釘付けになる魅力を、
今回は鑑賞中感じました。

当時の若尾文子さんの映画は何本か観ていますが、
木暮美千代さんとともに、
この作品の演技がピカイチに感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |