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ブログ 今日のいもたつ

黒いオルフェ 1959仏/ブラジル マルセル・マミュ

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一夜に集約されるのが祭りです。
本作のリオのカーニバルは、
その圧倒的な力強さや熱狂や華やかさで知られます。
そして、この映画にもその様子が納められています。

祭りは世界共通です。
ねぶた等の東北の夏祭りは、リオと同じような爆発的な祭りです。
それ以外にも、各地で各地の人々にしかわからない?
子供の頃から染み付いた祭りに対しての独特の魂が篭っているのが祭りです。

そこでは精神が継承されます。
この物語もオルフェの精神が次世代へ継がれるシーンで終わります。

それをバックボーンにギリシャ神話が展開されていました。
オルフェの神話は知りませんが、
象徴となる出来事は、オルフェの神話を現していることを感じることができます。

映画ももちろんベースの神話も、
どちらも、後に残すことを主眼に語られているようです。
それは、個人がやり尽くしたことを残したい気持ちも当然あるのですが、
伝わることは何かを考えるのが現実です。

だから、いつもの振る舞いが正直に伝わるのです。
神話だって同じことを伝えているのではないでしょうか。

【いもたつLife】

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道 1954伊 フェデリコ・フェリーニ

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身勝手な男と尽くす女、どこにでもある展開ですが、
奥が深い話です。

男は最後、自分の責任で女が死んだことを知ります。
その前に一人の男を危めています。
自分が何をしたかなんてわかっています。塞いでいるだけです。

だけど女に対しては、幸せになっているという淡い期待があったのでしょう。

生きていると人間“楽にしてくれ!”
といって逃げ出してしますことがあります。
でもこの男の場合も、その先には自分を崩す現実だけでした。

男は強がりでした。この姿はとても切なく、思い当たる節があります。
強い愛があったこともわかります。
だけどすべて過去です。

フェリーニ監督は、男が落ちた所で終わりを告げます。
これからも生きなければならない男がどうなるかが誰にもわからないで、
終わりです。
でも男の心には何かが宿ります。
映画の中の男のこれからなんてどうでも良い。
このラストを観て、私は力を与えられました。

【いもたつLife】

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ロイドの用心無用 1923米 サム・テイラー

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チゃップリン、キートンと並ぶ三大喜劇王ですが、
三者共通なのは、笑いだけではないことです。
奥が深く、喜劇を高尚な作品として後世に残しました。
アプローチは三者三様ですが。

ロイドは、喜劇としてとても純粋です。
しかし、そこにはどこまでも観客を尊重して造った術がこもっています。
掛け値なしで、傑作だと思います。

もし、私が笑いを売る身になって考えた時、
「ロイドのようだ」とお世辞でも良いから評価されたとします。
そうしたら、きっと自分はまだまだだと感じてしまう。
そんな存在なのではないかと感じました。

それほどの武者震いするほどの想いが伝わってきました。

【いもたつLife】

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アンダルシアの犬 1928仏 ルイス・ブニュエル

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映像と音楽が本当はミスマッチなのに、そうではありません。
映像はあくまでも、普通ではありません。
また、普通に対して、何かを考えます。

でもやっぱり、表面的にしか意味はないのでしょう。
普通なんて意味はないのです。

人のように社会を形成している動物、本能だけで行動しない動物は、
人以外では、どこまでの知能を持っている動物でしょうか。
チンパンジーやオラウータンは、社会性がある・・・と考えていって、
身近に考えると、すごく大雑把ですが、犬がそれで猫が違うような気がします。
(犬という題名を忘れていました、そういう意味があるとは思いませんが)

猫が行動する元になる本能が、この映画の表現の元なのと感じます。
全く稚拙な表現ですが、これがしっくりする言葉です。

驚くことは、1928年にこういう表現をして、
世間がどう評価したかはわかりませんが、これが望まれる土壌があったことです。

映画の持つ新しい力を表現しています。
現代でもきっと、今までにない可能性が映画にはまだまだあるはずです。

【いもたつLife】

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類人猿ターザン 1932米 W・S・ヴァン・ダイク二世

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象をはじめとして、ライオン、チーター、かば、牛、シマウマ、
原住民とアフリカが舞台だけあって賑やかでした。

象牙で儲けようという設定は、隔世を感じますが、
それが他のものに置き換わっているだけですから、
本質的な違和感はありません。

ターザンがジェーン(主演の女優)をみそめるのは、解るのですが、
ジェーンは文明を捨てて何故ターザンのもとにいることを選んだのでしょうか?

ターザンのような生き方は、誰もが少なからず持っている憧れでしょうか?
意識化にあるかどうかと、その強弱は個人差が結構あるけれど、
本能が求めていることなのかと思いました。

ターザンを知らない人はいないでしょう。
だけど私は本当に久しぶりにみました。
この映画はかなり古いですが、私の中のターザンと同じでした。
水戸黄門のようです。

【いもたつLife】

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イレイザーヘッド 1979米 デヴィッド・リンチ

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頭で考えると難解といえるのですが、
実は難解ではないかもしれません。
何?というより、そうなんだ。
と感じる心の声を聞きたいと思いました。

だからと言って、この映画を「~~だ」と表現するかは難しいです。
その必要は無意味(ではないとも感じます)かも。

私の印象は、赤ん坊が可愛かったです。
それを感じたことで、この映画を観て良かったとも思っています。

この映画は人によってとんでもなく解釈は違うでしょう。
普通の人という存在なんてありえないと、つくづく思いました。
それが普通なんですね。

【いもたつLife】

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崖 1955伊 フェデリコ・フェリーニ

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紆余曲折があって、詐欺師が良心を取り戻すのですが・・・。

年老いたこと
(そういっても48歳ですから、現代では充分に若いのですが)に苦悩し、
離れている娘が大人になるのと、騙した家の娘が娘と重なり、
それが転機となりラストに続きます。

転機というのは、あくまできっかけです。
年を重ねて詐欺師の自分をどう考えていたのでしょうか。

泥棒の言い分かもしれませんが、
詐欺にも色々あります。
あくまで悪いのは騙す方ですが、相手の欲がギラギラしている場面もあり、
騙される方の卑しさがにじみ出ている時もあります。

それとは無縁の聖女のような娘に合った時が転機でした。

年をとることの恐さは、肉体的に老いてゆくことはもちろんですが、
年にみあった精神の成長がないことの方が恐いと、
大人になりきれていない、
この詐欺師とほぼ同じ、いい年の自分が重なりました。

【いもたつLife】

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勝手にしやがれ 1959仏 ジャン・リュック・ゴダール

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ゴダールの真意を、一度でそれを把握することはできませんでした。
(二度でもそれなりですが)

画期的です。
この映画を観ると、他の映画がわかるからです。

主人公ミシェルはどうしようもないけれど、
私の分身でもありました。
人は殺せないけど、過去にはミシェルのような自分がいました。

立ち居振る舞いもかっこいいとあの時の自分は言います。
でもそれもこの映画では断片です。

映画であって、映画を観ている気がしなくなります。
音楽にひたる瞬間だったり。犯罪=過去の悪いことをした瞬間だったり、
女をどうしようもなく抱きたい時だったり、愛している心を実感する時だったり、
受け手の感覚でしょうけれど。

跳ねるような躍動と、
「貴方ならどうする」も感じます。

今はそんな風に感じました。経験を重ねて時折観てふりかえる映画です。

【いもたつLife】

日時: |

クローネンブルグ1664

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不覚にも初呑みです。

フランスNO.1ビールとのことですが、
飲んでいなかったビールです。
そういえば、フランスのビールを意識したことがなかった!
ワインに固執し過ぎだったと反省です。

ということでこのビール、
飲みやすいマイルドなビールです。
ただ、正統派を感じます。

万人受けですが、NO.1だからあたりまえかな。
あまり言いたくはないけど、
日本にはビールがほとんどないから、こういうビールはありがたく、
きっとフランスのどこでもこれが飲めるのでしょう。
だととしたら、安心です。価格も安いし。

基本がさりげなくあたりまえに置かれていることって良いですよね。

【酒呑みのひとりごと】

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ワイン3本

久々にワインを呑んだので感想です。

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グレイス・シャルドネ 2007
国産白ワインです。
さわやかで飲みやすく、適度な酸味と甘みがありました。
頻繁に購入するのに負担のかからない位の価格で、
この美味しさは特筆ものです。

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シャトー・ド・フューザル 1994
フランスボルドーの白ワインです。
栓を開けただけで良い香りが立ち上ってきました。
琥珀色に色づいた様子は、菊姫の8BY本仕込み純米を思わせました。
また、このヴィンテージは、菊姫6BY大吟醸と同じですので、比べてしまいます。
フルーティな心を浮かせるような香りはワインに軍配。
味は好みによりでしょう。

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ラ・グラン・リュ 1999
フランスブルゴーニュの赤ワインです。
このワインは刻々とその姿に変化があるのに驚きました。
渋みの中にたくさんの味が隠れているのですが、
時間と共に、その中の誰かが、代わる代わる静かに主張を始めます。

【酒呑みのひとりごと】

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