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ブーベの恋人 1963伊 ルイジ・コメンチーニ
マーラ(クラウディア・カルディナーレ)が
少女からまだ大人になりきれないところから、
精神的に大人になり自負心までも身に付けます。
ラストの元恋人との出会いで、
映画を観終わった後までその余韻に浸せてくれました。
少しずつの変化、わがままで可愛い何も知らないマーラ、
裁判では発言すら出来なかったマーラが、その表情やもっと言えば、
背後の雰囲気まで最初と最後では違う女性になっています。
間違いなくクラウディア・カルディナーレの代表作です。
赤と黒 1954仏 クロード・オータン・ララ
舞台は19世紀初頭のフランス、貴族社会です。
原作の刊行は180年前です。
200年前は感覚としてそんなに遠い過去と思えません。
50年前は、高度成長期、
100年前は、第一次大戦前夜、
150年前は、明治維新や南北戦争を思い浮かべます。
だから人々の意識がかわるのはとても早いことが、
今からこの映画の世界を見るとわかります。
もちろん意識下ではこの頃とかわらないこともありますが。
映画はやっぱりジェラール・フィリップです。
きっとたくさんの役者がジュリヤンを演じているのでしょうけれど、
この作品は、ジェラール・フィリップの「赤と黒」です。
ちょっとかっこ良すぎるきらいがありますが。
冷徹に徹してきれなさは、彼の魅力でしょう。
貴族に蔑まされたときの雰囲気は、彼ならではの、
悲哀と狂気が感じられました。
噂の女 1954日 溝口健二
溝口監督の作品としては軽いタッチです。
しかし内容は濃いです。
母は京都のお茶屋兼女郎やを切り盛りしている逞しい女、
娘は実家の職のせいで失恋し自殺未遂、
東京から憎い実家に戻る所から物語は始まります。
母と娘の成長記です。
印象的だったのは、ラストに娘が京都の言葉を使い始めることです。
母役の田中絹代の演技はとても良く、言うことなしですが、
娘役の久我美子が遊女との接し方が徐々に変化して行くのが見事です。
最初の眼だけでの接し方から、途中の介抱のシーン、そしてラストと、
映画ではワンシーンですが、その奥に日常の時間があることを充分に伝えます。
他にも見所が多く、個人的には溝口監督は凄いと、
作品を鑑賞するたびに感じます。
セットやカメラワークも含めて。
余談ですが、
我が家に振り返って、親離れ子離れのありようも感じました。
ええじゃないか 1981日 今村昌平
幕末の江戸と変わり行く時代を、
“ええじゃないか騒動”を通して映しています。
コミカルな演出ですが、雰囲気が伝わります。
豪華なキャスト、壮大なラストと、
今村監督の当時の映画界における力も感じます。
(冒頭は「天井桟敷の人々」と重なります)
展開は速く、ストーリーの中の事件は、
各々で考えてね。という感覚で撮られているようです。
当時の武士と庶民の生き残り方・・・自分ならと考えます。
30年近い前の作品ですが、今の時代がタイムリーです。
当時の混乱、変わることを誰もが感じ始めた時に、何が起こるか?
ラストも含めて映画だから伝えられる雰囲気が、
今観るとシリアスに感じることができます。
妻は告白する 1961日 増村保造
愛する男に対する女のすさまじさが心を打ちます。
何故ああも人を愛することができるのか?
(それを表現した若尾文子はさすがです)
やっぱり出生にキーがありそうです。
物語では、そのあたりはほとんど触れていませんが、
この物語での女は、男が、愛してくれる男がいなければ、“もう”生きることが、
できなくなってしまっていました。
「たとえ3年に一度でも良いから合って」
希望がそこにしかないのです。
人の生き様は、自分ではわからない、気づいていない、
過去からの積み重ねが描かれているように感じました。
それと愛に対しての違いもメッセージも。
あれだけ人を愛せることが女にはできます。
それなのに男は・・・、
本当に鈍感または、エゴイストとして女の夫が登場します。
法廷劇としても面白みがありましたし、
増村監督の中でも代表作といえる作品なのではないでしょうか。
失はれた地平線 1937米 フランク・キャプラ
第二次大戦への警鐘も込められている映画です。
争いのない理想郷、シャングリ・ラが舞台です。
この映画の理想郷は、違和感がありました。
人間が不完全だから違和感を覚えるのか、
あまりにもバランスを欠いているからなのか。
今も昔も、人がつくりだした世界には、
争い犯罪もろもろ嫌なところがたくさんあるけど、
心に描く理想が現実になってもそれは、やっぱり不完全でしかない。
そんな世界感を感じました。
結局は、家庭の中で小さな小さな理想郷を自分でつくる。
これが人ができることだし、
これができれば幸せなのでしょう。
林家正蔵 独演会
落語好きと言ってもほとんど耳だけ。
今は亡き名人のCDを聞いていて、
現役を生で観るのは立川流。
とかなり偏っています。
正統派?というかは解かりませんが、
立川流以外の現役の有名な方はほぼ初めてでした。
大きなホールに満席でしたから、
正蔵師匠の人気に驚きつつ、
実力ある芸にその人気ぶりも納得でした。
師匠が二席、二つ目と前座がそれぞれ一席
3人とも上手でした。
でも3人でも独演会と言うのですね。
忍びの者 1962日 山本薩夫
忍者を格好良い演出ではなく、泥臭い、けれど
これが日常である。という視点でとらえられています。
だから、ひとりひとりが地味です。
でもその方が現実だっただろうし、そう感じます。
人は環境と教育で、人格が形成されます。
忍者として生まれると、日陰に生きるもの、表には決してでない、
普通の幸せとは隔世になります。それが疑問にも思わない。
そんな主人公(市川雷蔵)が人並みに気づく話でもあります。
市川雷蔵は好きな役者ですが、こういう影がある役はぴったりです。
石川五右衛門を忍者として設定したことも面白いですし、
信長支配の戦国を、忍者を含めて敵対する底辺の者たちから描いた
という点でも面白い映画でした。
ザッツ・エンタテインメント 1974米 ジャック・ヘイリー・ジュニア
たかだか100年余りが映画の歴史ですが、
無数の作品がつくられました。
言うまでもないことですが。
多種多様で、
国が違えば違う感覚、同じ国でも全く作風が違うのも当たり前、
でも映画会社のテイストもあったりもします。
また、多くのジャンルも出来上がりました。
時代とともに変遷してきました。
映画を縦横無尽に鑑賞していると、
こういう映画にある時出会うと楽しくなります。
ミュージカルという映画史を語る上でなくてはならないジャンル
それもMGM社にしぼり、その醍醐味を往年のスターが紹介してくれます。
ミュージカルに巨大な力が乗り移っていった時、
その時にしかできない作品ができていったことがわかります。
何故この頃のミュージカルを現代によみがえらせないのか?
そんな疑問を何回か持ったことがあります。
あたりまえに、フレッド・アステアのような役者が現れないことも
一因だと思っていましたが、それだけでは腑に落ちませんでした。
その謎のひとつは、ミュージカルが一時代になってしまったこと。
にあることを実感しました。
しとやかな獣 1962日 川島雄三
コメディですが、コメディとは思えない、人間の悪と
生きるためのしたたかさを描いた映画です。
たしかに面白い映画なのですが。考えてしまいます。
脚本も良いですし、人物描写や、カメラワークなど、
好みの映画で今年のマイベスト10に入るでしょう。
団地一軒の中だけで映画は作られています。
多種類のアングルと、時折外からのカメラや、外へのカメラを使い、
台詞以外でも人物を語ります。
内容は、あばしり一家のような家族と、
ひとくせあるその被害者たち、
そして、あばしり一家も舌を巻くほどの女の軋轢です。
言葉遣いが、まったく本音でない、から、オブラートに包んだ本音、
半分本音、かなり本音などその使い分けが妙です。
これらは、普段誰でも使い分けているのですが、
えげつなく描かれています。
でも100%本音はでないんですよね。この映画でも。
でもそれをお互いが理解しています。
笑うに笑えない映画でした。