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ブログ 今日のいもたつ

坂の上の花火

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静岡の市街地から20km以上山の中に入っていった、
坂の上の花火です。

音も光も花火以外は、会話と星だけ、山を背に真正面に上がる花火は、
自分のためだけに上げてくれているようでした。

淡々と、ときおり華やかなに。

ここ何年も花火を見
に遠出をしたことがありませんでした。
雑踏に行くことをためらって。
また、「花火だぞ!見ろ!」と迫られているのがちょっと引っかかって。

山の中に消えてゆく音、
消えてゆく花火のかけらはバックの星と溶け込みます。
とても良い花火でした。来年も行こう!

【いもたつLife】

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復讐するは我にあり 1979日 今村昌平

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殺人シーンが目を覆いたくなります。
観ている者に実際の感覚を植えつけるかのようです。

そして、なんの脈絡もなく複数殺人を行う犯人の、
異常な恐さと普段の様も、どこまでが真実かはさておき、
不気味なほどに、この人物が実在したことを感じさせます。

1、こんな男=殺人者であっても、それに同調する女や、
同じ匂いがある女の母が現れること。
2、その時々の心のありようで同じ人間でも違う人格があること。
3、それが、たとえ多重人格者でなくても、普通の人間でもその可能性があること。
が伝わります。

次の焦点は男の動機です。
親子の相克からという面も語られます。それもあるでしょう。
男の父親も一筋縄ではないようです。
悪く言えば偽善者ですが、
訥々と生きてきた単なる男であることに違いなく、悲劇に遭遇している立場です。
(ただ、父と子でしかわからないこともあったはずです)

結局は犯人の異常さ非情さがやはり頭から離れません。
だけど、この男のそばでずっと係わった、
父、母、嫁の無念さと憤りと怒りとそれらの感情のぶつけどころがない様。
それを背負った人生が、死刑で終わったラストには、
時は流れていることへの感慨がありました。

【いもたつLife】

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気まま時代 1938米 パンドロ・S・ハーマン

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この時期にこの頃のアメリカ映画をみると、
あれは無謀な戦争だったことをよく思います。
アメリカは、あまりにも豊かです。

映画の感想です。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの映画はうわさ以上に素敵でした。
連作されている作品すべてを見たくなるほどです。
息がピッタリもさることながら、レベルの高さに感動ものです。

二人のダンスシーンは、断片で過去見たことがあるのですが、
すごいとわかってみて、すごいからプロです。
それに素敵!なのです。

ストーリーは他愛ないのですが、その方が良いくらいに思えます。

だけど、ジンジャー・ロジャースが、2度の催眠にかかるのですが、
違う催眠で違う表現と表情に、演者を見ます。
それを含めた、裏方の良い仕事ぶりも感じました。

【いもたつLife】

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地震

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今この記事が書けることはありがたいです。
被害にあった方、大丈夫でしょうか。
お見舞い申し上げます。

静岡から茨城へクルマで移動の予定でした。
丁度外に出ようとした時でした。

どこにいようかと迷いながらも窓を開け、
柱に寄りかかっていました。
テーブルの上の猫が2匹驚いて、廊下へ。
とても長い10秒でした。

揺れが収まると家族の無事を確認しに、2階へ、
すべての本棚が見事に倒れていました。
他には、
食器がいくつか割れる。
ビールが割れる。
そこ等じゅうがちらかる。
等々。
この程度の被害でよかったと家族で確認。

会社も心配になってやってきましたが、
冷蔵ケースの菊姫がこの程度のちらかりで
後は問題なし。
「ほっと」しています。

本当に突然でした。
冷静でしたが、どこまで揺れが大きくなるのか?
とても怖かったです。

【いもたつLife】

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明日 1988日 黒木和雄

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自国を守るための非常な事態に、不自由なことばかりになっても、
それが、自分の代わりに戦っている援護であれば、
不満があっても国のため、村のため、家族のため、自分のためです。

国土というものは、なによりも大事(なもののひとつ)です。
戦争に正義があるならば、侵略に対して守ることです。

1945年8月8日と9日長崎の家族は、戦時中ということ以外は、
今日の私と同じ生活をしていました。
AM11:02に映画の幕はおります。

第二次大戦では、戦争している国民全ては、
軍人と同じで、いつも明日はわからなかったのです。

志願しなくても一枚の紙で軍行きなだけでなく、
今からわかることは、すべての国民に明日があるかわからなかった。

先の戦争のこれも真実です。

【いもたつLife】

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ならず者 1943米 ハワード・ヒューズ

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すこぶる腕が良いガンマン二人と保安官、
ふたりをめぐる女の4人で物語は進みます。

腕が良いだけに尊敬しながら争う二人と、
仕事柄その二人を捕らえる保安官、そして女。
それぞれが、心理的にも物理的にも離れたりくっついたり、
多少違和感がある展開でしたが、
個を基本にした自由の獲得と、
アメリカ西部開拓の時代を重ねていたのかもしれません。

時折、かなり意図的な?を思わせる効果音が気になりました。
しかし、製作年から考えると、先取りだったのかも知れません。

この物語は史実に基づいているようですし、
それを一風変わったアプローチで表現しています。
西部劇は映画枠でみると、かなり大きいジャンルです。
それだけにこういう感じの映画も撮られたと思いました。

【いもたつLife】

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お米のイベント0908

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月に2回、隔週でお米の試食会を店頭で開催しています。
前回からビデオ撮りをして、様子をネット上で伝えるように試みていますが。
なかなか大変です。
撮影も編集も手間取っています。

この日もお米2種類と、
特別メニューとして、まぜご飯一品、おかず一品を試食してもらいました。

ご飯もさることながら、特別メニューも好評です。
季節に合ったメニューを考えるのですが、
主婦の皆様ご飯を何にするかは、毎日のことで結構悩みの種のようで、
レシピを熱心に読んでくれて、持ち帰ってくれます。

メニューのバックナンバーも貯まってきましたので、
一度まとめてみるのも良いかとも考えています。

【米探訪記】

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M 1931独 フリッツ・ラング

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連続少女殺人事件を柱とした話です。
母親が子供を守ることを主題にしたようですが、
それよりも強いメッセージが伝わります。

当時のドイツの情景を推測するしかない部分はありますが、
犯人を私的な裁判にかける心理と、
それを含めて群集がひとつの方向に塊、動く時の恐さ、
がとても重く描かれていました。

ヒッチコックを思わせるサスペンスの手法も上手く、
そのもおもしろいです。

繰り返しになりますが、
私的裁判は、国家の司法を補う存在にはなりえませんが、
群集が求めるものでもあります。
しかし、一方向へ向かった群集心理の末に生まれたもの、
この場合は私的裁判ですが、とても危険な臭いを放っているものでした。
そして、今みるからかもしれませんが、
それを利用したヒトラーの影もちらつきました。

【いもたつLife】

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カルメン故郷に帰る 1951日 木下恵介

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一貫して浅間山の麓で描かれる作品。
家出娘が故郷に錦を飾るのですが、
錦の内容が問題です。

日本初のカラー作品ということが強調されています。

主演のリリーカルメンは、高峰秀子
好きな女優ですが、この作品では私がこれまで知っている魅力とは
違う演技に魅せられました。

自称モダンで芸術家のリリーカルメンとその友人は、
故郷に大きい波紋を運びこみます。
この二人が疾風のごとく残した足跡とは何だったのか、
その時には大きくても、村の人達には、すぐに忘れ去られてしまうそんな跡です。

だけど、それがずっと心に残る何人かもいるし。
ふとこのことを思い出す誰かもいるでしょう。

人がこの世に残すこともこんなことでしょう。
ほんのほんの一握りの大それた何かをする偉人は別として、
これくらいで人生が終わります。
そこに価値が感じられる映画でした。

【いもたつLife】

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歌麿をめぐる五人の女 1946日 溝口健二

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戦後の日本は国をあげての努力で、素晴らしい国に復興しました。
こと経済に関しては、全員が必ず生きてゆけることを実現した国です。

ここまで底辺が上がって誰もが、食べることにも困らない、
文化も求めれば誰でも手に入れられるという楽園のように発展しました。

ただし、文化の最高(といったら語弊があるかも)をになう人と、
それを解る人達が居るところがなくなったと感じます。

この映画や同じ溝口監督の「元禄忠臣蔵」を観ると、
日本人であることを確認します。
よくもわるくも描かれているので、直それを感じるのでしょう。

そして真骨頂は、再現です。
魂がこもっているかの映像は、心に響くのです。
それは、セットの忠実さもさることながら、演者も本物追求、
時代考証も出来うる限りだからでしょう。

底流には、人の性があります。これも当然ひきつけられます。
だけどいつも溝口映画で最も引かれるのは、
溝口監督がどうやって製作したかの意気です。

多くの知識で溝口映画は名作だという前提があるから
それを感じるのかもしれませんが、
そうではない、「さあどうだい」という声を感じるのです。

今なるべく多くの映画を観ようとしていますが、それは、
隠居して余生をすごす段階で、もう一度観ておきたい映画を選ぶためのような気が、
こういう映画を鑑賞すると感じます。

【いもたつLife】

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